施術方法・仕組み

部分矯正では、傾いたり曲がったりしている歯が、なぜピッタリと並ぶのでしょうか?
部分矯正の治療の際には、施術方法のひとつにストリッピングという方法があります。

ストリッピング(ディスキング)

歯と歯の間(隣接面)のエナメル質をミクロン単位で削ってスペースを作る方法を、ストリッピングやディスキングと呼びます。昔から矯正治療で用いられてきた方法で専用の機器で研磨します。隣接面を左右0.5mm程削ったりすることがよく行われています。

ストリッピング ストリッピング
このようなケースの場合、前歯を並べるだけ
のスペースがありません。
専用の機器を使い、動かすための
スペースを作ります。0.5mm以下。
ストリッピング ストリッピング
他の歯が動くことにより、
前歯を入れるスペースができました。
ピッタリと歯が並びました。

ストリッピングの利点

  • 歯を抜きたくない場合、スペースが足りない場合に有効
  • 歯に最小限のダメージを与え、無理なく低侵襲で調整が可能

ストリッピングの難点

  • 仕上げにしっかり研磨し、削った面をなめらかにする処置をしないと虫歯になりやすい
  • 作られるスペースの量は限られている(得られるスペースは、ほんのわずか)
  • 研磨する量や歯の形のバランスを考えないで行うと歯が縦長になることがある

上記のストリッピングの項で述べました研磨の問題ですが、以下のような機器や材料を使うことで問題はほとんど解決されます。

ストリッピング機器研磨するテープ
▲ストリッピングをするための専用の器具(いとのこのようなもの):左
▲歯の表面を滑らかににする処置のための仕上げテープ:右

このように過大な研磨はせず、上記以外にもフッ素を塗布するなど虫歯予防処置をしっかりすれば、ほとんど問題はありません。
診断時に他のスペースを作る方法も含めて歯科医師とよく検討する必要があります。

咬み合わせの調整

どのような歯科治療でも、かみ合わせの問題を避けて通ることはできません。部分矯正の適応となるケースは、咬み合わせに問題がない場合に多く適応されますが、以下のような機器や材料を使いキチンと咬み合わせをチェックしてくれる歯科医院を選ぶことも大切です。

咬合紙(こうごうし)

咬合紙一本一本の歯の噛み合わせの面を、咬合紙(こうごうし)という赤色と青色の薄い紙を使って細かくチェックしていきます。患者さんに、赤色や青色の紙を歯でカチカチ噛んだり、左右にギリギリと動かしていただきます。悪い当たりがないかを注意深く確認しながら、ほんの少しずつ、ミクロン単位で調整していきます。

咬合器(こうごうき)

咬合器(こうごうき)咬合器(こうごうき)とは、歯科医療における治療・研究等を目的として、模型上で顎運動や咬合のさまざまな位置を再現する装置のことです。

部分矯正での歯の動かし方

部分矯正は部分的に歯を動かすわけですが、治療計画によって、その動かし方は様々です。部分矯正では、次のような歯の動かし方ができます。

引っ張り出す

引っ張り出す

挺出とも呼ばれ、装置を使って引っ張り出す部分矯正の方法以外には、外科的手術を用いる方法と自然な歯の挺出方法もあります。

起こす

起こす

傾いた歯を真っ直ぐ起こすします。整直とも呼ばれ、倒れてきて噛めなくなった歯を元の戻す場合に用います。歯が抜けたまま放置してしまい、隣の歯が倒れている症状の場合に有効です。補綴(クラウンやブリッジの治療のこと)やインプラント治療をする際、それを入れるスペースが無い場合に事前に修正するときなどに行います。

移動させる

移動させる

部分矯正でもっとも一般的なよくある動きです。

回転させる

回転させる

前歯が傾いていたりしているときに有効な動かし方です。

引っ込める

引っ込める

歯の表面を削らずに済むメリットがあります。

矯正歯科で歯が動く仕組みとは

歯が動く仕組み

部分矯正に限らず、歯列矯正で歯が動く仕組みは、
「歯根膜(しこんまく)と歯槽骨(しそうこつ)」の移動・生成の繰り返しにあります。

1)歯と歯槽骨の間に薄くある歯根膜は、繊維の膜でできています。
2)矯正装置で歯に力が加わり、歯根膜の繊維が伸びます。
3)繊維が伸びた分だけ、そこにしばらくしてから新しい歯槽骨ができあがります。反対側に押された歯槽骨側にはあたらしい歯根膜ができあがります。

この繰り返しで歯が動き、その位置に歯が固定されていきます。

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